杜を訪ねて

神社めぐりと出会った獅子・狛犬たちへの想いについて。また、時にはモノローグも。

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

スポンサー広告 |
各ランキングに参加中。お気に召したら各々ポチッとお願いします。 web拍手 by FC2 にほんブログ村 歴史ブログ 史跡・神社仏閣へ

にほんブログ村 写真ブログ 庭園・史跡・神社仏閣写真へ
Twitterボタン

狛犬誕生 (おすすめ本)

本日はおすすめ本のご紹介です。




狛犬誕生狛犬誕生
(2014/11/08)
塩見 一仁

商品詳細を見る


ある日、狛犬さん関連で何かいいものないかなぁとAma○onを見ていたら、「狛犬誕生」の文字に目が釘付けに。
解説には「本書は古代・中世以降の記録文学から江戸の古川柳に至るまで精査し、(中略)日本の狛犬研究に新しい視点を開拓した名著である。」
とあります。

うーん、惹かれるけど中も見てみたいなぁと思い、会社近くのジュンク堂に。パァッと見て、10分程悩み、思い切ってかねてより目をつけていたもう一冊の本と一緒に購入しました。その本については後日ご紹介します。



本書は副題に「神獣のルーツをたどる」とあるように、狛犬はどうやって生まれてきたのかの歴史が綴られています。

狛犬は古くは「高麗犬」とも書き、高麗(朝鮮半島にあった国)より伝来したと言われています。また、「獅子・狛犬」という呼び方もされ、獅子と狛犬は対をなす物として宮廷や神殿を守る神獣であったとされています。狛犬に対して唐獅子(中華料理店の店頭でよく見かけますね)という存在もあります。

ここでまず、獅子に着目するとこれはライオンのことであり、当然朝鮮や中国にはいない。で、そのルーツをたどると古代オリエントまで遡ることになります。

古代オリエントでは、王たちがライオンを神として崇めたり、狩りの対象としていて、神聖なものだったそうです。また、それは次第にエジプトの地で王座の脚にライオンの頭部の彫刻を施した獅子座という形になります。そして獅子が王の権威を示し、やがて王(神)の守護獣としての役割を与えられていくようになります。最古のライオン像はなんと期限前5800年頃のトルコの遺跡から発見された地母神の獅子像だそうです。

エジプトで王者の権威を象徴するものの一つにスフィンクスがありますが、これも人間の顔に獅子の体を持つ守護獣ですね。

その後、ミケーネ ヒッタイト アッシリアなどの文明にて、獅子の意匠をされた獅子門が見られるようになります。そして、ペルシャ帝国やアレクサンドロス大王により、西洋の文化がアジアに伝えられることとなります。

インドに伝えられた獅子は仏教と結びつくことで、西洋と同じように王の権威を示すと共に、仏法を守護するものとして更に広まっていきます。仏の座す所を獅子座と呼ぶようになり、その台座には獅子の彫刻が施されるようになります。

その後、シルクロードを通じ中国に渡った獅子は次第に台座から独立して仏の左右に侍すようになり、仏の守護獣としての色を濃くしていきます。このへんで、少しずつ今の狛犬のイメージに近くなってきたように思います。

秦・漢の時代になると帝王や王族の墓の鎮墓獣として馬や牛などの石像が作られるようになり、その中には獅子の他に桃抜(とうばつ)という有翼の神獣がありました。このうち一角のものを天禄(てんろく)二角のものを 辟邪(へきじゃ)といいます。この天禄と麒麟(きりん)は混同されているところもあるようです。

麒麟と言えば、キリンビールのあのマークを思い浮かべる方も多いと思いますが、私はウルトラマンに出てきた怪獣トドンゴを思い出してしまいます。

これらの石獣たちは鎮墓獣として数多く作られ、やがて六朝時代には参道に置かれるようになります。また、六朝時代には皇帝陵には麒麟、王侯墓には獅子という区別がありましたが、唐代は獅子が中心となり、次の宗代の工人が手掛けたものの一つが、あの東大寺南大門の狛犬となります。

やがて、獅子は仏教とともに朝鮮半島に浸透し、四体で一組となる石像の形で陵墓や寺院に見られるようになっていきます。この朝鮮半島の中の一国が高句麗、つまり高麗(こま)ということになります。


そして、遂に仏教伝来とほぼ同時期に獅子の意匠は日本にやって来ます。(やっと日本にたどり着いた~。)

法隆寺の壁画や仏具に獅子の造形が残されているそうですが、寺院などでは獅子は左右一対の形になっているそうで、それを考えると、これまでの流れの中で朝鮮半島だけが四体で一組になっているのがどういう理由なのか疑問が残ります。四神としての考え方なのでしょうか。


さて、ここまで獅子に注目してきましたが、肝心の狛犬はどうかというと、日本での最古の狛犬の記録はなんと平安初期の舞楽関係の文献だと言うのです。これは私もびっくりというか、本書での新たな発見でしたね。舞楽に用いられる楽具に狛犬の被り物があったそうで、挿し絵を見ると二人が一組となり、角のある被り物を被っているのをみると、獅子舞を連想します。この舞楽の家系に狛氏というのもあり、枕草子にも「高麗、唐土の楽して、獅子、狛犬、をどり舞ひ」とあるそうです。

この舞楽、左楽の唐楽と右楽の高麗楽が対になり、「獅子」と「狛犬」はしばしば対になって舞われたそうですが、狛犬楽の狛犬舞を右とする固定観念が、狛犬を右位置(神から見ての)にしたのではないかという点は非常に興味深いですね。

また、伎楽の獅子頭でも左右一対の獅子を区別するため、片方の獅子頭に角をつけたそうで、これは前に書いた天禄・辟邪に繋がり、獅子との対としての狛犬を形作っていったそうです。

平安時代の文献にある「狛犬」の記載には、他に天皇や后の御帳の鎮子(ちんし…御帳が風にあおられるのを防ぐおもり)として使われていたということで、ここでも守護獣としての役割を果たしていたそうです。


神社での狛犬についての文献では、徒然草にある有名な話(聖海上人が神殿に背を向けあって立つ獅子狛犬を見てさぞかし深いわけがあるのだろうと涙ぐみ、神官に理由を尋ねたところ、子供のいたずらですとあっさり元に戻してしまった)がありますが、この狛犬は参道の石造狛犬ではなく、木造の神殿狛犬であろうが、宮中から神社の社殿の子供の手の届く外側まで、狛犬が出てきたことが興味深いと述べられています。

そして時代が下り、江戸時代に入ると神社に鳥居や灯籠とともに狛犬が奉納されるようになり、狛犬がぐっと身近なものになってきます。


こちらは東京で最も古いといわれている目黒不動の狛犬さん(承応3年奉献)
21_20120131233849.jpg

23_20120131233848.jpg


本書には狛犬の川柳がいくつか紹介されているのですが、その中では「駒犬は膝もくずさぬ神の留守」という句がいいなぁと思いました。神の留守とは神無月のことで、神様が出雲に行って留守の時にも一生懸命お社を守っている姿がけなげでかわいいと思います。


さて、本書を読んで、今まで知らなかったことがいろいろと知ることができ大変参考になりました。このようにして狛犬さんは誕生してきたのですね。狛犬さん誕生の歴史を紐解く本として、ぜひご一読をおすすめします。



最後に、この下書きを書いていたある日、ツイッターでフォローの通知が来てどなたでしょうと見てみたらビックリ!!

なんとこの本の著者の塩見一仁氏からフォローをしていただいていました。

いやー、偶然というのはあるんですねぇ。
私のつたない文章力で、この本の魅力をどれほどお伝えできたか冷や汗ものですが、狛犬をより多くの方に知っていただく本をお出しくださいましたことを、この場をお借りして感謝申し上げます。


おまけ(というか宣伝)
私のツイッターでは、毎日の記事のアップ情報を流しております。ほとんどはそのツイートですが、神社巡りに行った時には出発時につぶやいておりますので、もしよろしかったらポチッとフォローをお願いいたします。





本日も皆様にとっていい一日となりますように。









スポンサーサイト

テーマ:お勧め - ジャンル:本・雑誌

神社・神話関係 | コメント:6 | トラックバック:0 |
各ランキングに参加中。お気に召したら各々ポチッとお願いします。 web拍手 by FC2 にほんブログ村 歴史ブログ 史跡・神社仏閣へ

にほんブログ村 写真ブログ 庭園・史跡・神社仏閣写真へ
Twitterボタン
<<もうすぐ折り返し | ホーム | もういくつ寝ると>>

コメント

目黒のお不動さまでは、オデコにできた「いぼ」お取っていただきました。
12歳の時でした。
その時から、タコを食べた事がありません!
2014-12-26 Fri 16:33 | URL | ボス。 [ 編集 ]
こんにちは。

塩見一仁氏からフォロー良かったですね(^^)

たっつんさんのツイッター見せていただきました。
私も最近、ツイッターはじめたのですが、イマイチ使い方を判っていませんが、
フォローさせていただきました。
それから、こちらのブログと白狛犬・黒狛犬の方のブログもリンク貼らせていただいて、宜しいでしょうか?
よろしくお願いいたします。
2014-12-26 Fri 16:43 | URL | 宙海(そらみ) [ 編集 ]
コメントをいただきありがとうございました。

目黒不動には大好きな和犬タイプの狛犬さんもいて、私も好きなところですよ~。
2014-12-27 Sat 05:24 | URL | たっつん [ 編集 ]
コメントをいただきありがとうございました。

本当に最初はびっくりしましたよ。
記事をアップした後ならともかく、突然でしたからねぇ。


私もツイッターについてはよくわかっていません。(笑)


リンクの件、こちらこそよろしくお願い申し上げます。
2014-12-27 Sat 05:27 | URL | たっつん [ 編集 ]
「狛犬誕生」の紹介、ありがとうございます。
こんな偶然があったのですね。うれしいです。
本の内容もしっかり書いてくださって、著者の私のほうが、「そうだったのか」と改めて確認した次第です。
神社訪問のご熱心さにも脱帽です。
これからも楽しんで読ませていただきます。
2015-01-04 Sun 00:02 | URL | 狛仁(塩見一仁) [ 編集 ]
コメントをいただきありがとうございました。

拙い文章で、うまく魅力をお伝えできましたでしょうか。
これからもよろしくお願いします。
2015-01-04 Sun 05:28 | URL | たっつん [ 編集 ]

コメントの投稿















管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

| ホーム |
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。